AV女優の無料動画

 

近年の情報技術の進化にともなって、AV女優の無料動画を簡単に閲覧することができるようになりました。このことは一部で良い影響を、一部では良くない影響をもたらしています。

良い影響としてはAV女優という存在がより身近で手軽なものになったということです。AVが6000~8000円もしていたころから3000円以下が標準価格へと移った時にも同様の動向が見られましたが、より手に取りやすい価格になったことでAVが身近な存在となり、身近な存在になればなるほど業界がかつて持っていたダーティなイメージは改善されていき、AV女優という職業に対する蔑視の目も和らいだと思います。

このことは、性風俗に関係する産業が社会にとって必要であるにもかかわらず、それに対して異常なまでの蔑視を向けるという社会の矛盾が改善されているという流れが改善されているということであり、ものの道理や社会の根本の仕組みを見る目がより健全化されている流れとも見ることができるでしょう。

インターネットの普及に伴って無料動画が出回っていることは、この流れに拍車をかけています。AV女優という職業の女性がより一層身近で親しみの感じられる存在となり、バラエティ番組やテレビドラマなどといった一般メディアにAV女優が出演することも増えました。このようなことは、AV女優が蔑視されていた時代にはまず考えられなかったことです。もしインターネットが存在せず、相変わらずAVを見る為にはセルビデオを購入するかレンタルビデオ店でレンタルするしか方法がなかったならば、このような流れは生まれなかったことでしょう。

このことは、これまで日陰で生きることを強いられてきたAV女優たちが、成功をつかめば一般メディアに進出してより多くの幸せを掴めるということの証明であり、AV女優たちに光を当てたことでしょう。これは無料動画がもたらした功労と言えます。

 

反対に悪い影響ももたらしています。一つはAV業界に不況の嵐を巻き起こしたことです。インターネット普及によって無料動画が出回ったことで、多くの人はAVを購入せずとも無料動画として閲覧できるということを知り、販売本数が伸び悩むようになってきたのです。

このことはAVが身近なイメージを得たことで自らAV女優を志願する女性が増えているにもかかわらず、不況によってギャラが安くなったりそもそも出演の機会が得られないというAV女優を多く生み出すこととなりました。したがって、AV女優は無料動画によって日の当たる職業に近づくことができ、AV女優の活動の場は広がって非常に大きな希望を持ちやすい職業になった半面、競争が熾烈であるために成功を掴むのは非常に難しい職業にもなってしまったのです。

そのことは、AV女優という職業が「最終的にどうしようもなくなった時にはAV女優になることで稼ぐことができる」とうセーフティネットとしての機能を果たさなくなったということでもあり、これは無料動画がもたらした罪悪と言えます。

この他にも、あまりに身近になりすぎたために、まだ正しい判断ができない少年少女が性の知識を身につけるのにあまりに早熟となったことが挙げられます。理性が未だ発達途上の少年少女が安易に避妊をしないセックスなどをするようになり、このことが中学生でありながら妊娠するなどの悲劇を生みだしています。

 

これらのことを総合的に考えると、AV女優が無料動画としてネット上に出回っていることは功罪相償う状態であり、今後ネットによる情報の規制に対してどのような変化が起こるか、AV業界はどのような働きによって無料動画隆盛の時代を生き抜いていくのかということが問われることと思います。