AV女優の人気に見る業界の動向

 

2012年にDMMによって開催された「アダルトビデオ30周年記念」では、ユーザーの投票によって、30年間で活躍したAV女優2万人を対象に人気投票を行い、その結果選出された上位100位までのAV女優が公開されています。

この人気投票は現役のAV女優だけではなく、すでに引退している元AV女優まで投票の対象となっているのが面白いところです。実際に投票結果の4位には1999年に引退した川島和津実がランクインしており、活動期間は1年未満であり、出演本数もわずかに6本であったにもかかわらず好結果となりました。

この他にも1990年に1年未満の活動をした星野ひかるが13位にランクインしています。川島和津実や星野ひかるが上位にランクインしたことは多くの人の予想外だったのではないでしょうか。このことから、現在のAVのユーザーには中高年の利用者が多いことがうかがえます。

この他にも引退している女優として古都ひかるが6位、南波杏が11位、あいだゆあが15位、高樹マリアが19位にランクインしており、引退してもなお色あせない人気を保っています。

このほか上位20位までにランクインした女優のうち、投票が開催された2012年に新人に分類される女優としては小倉ゆずが8位、さとう遥希が9位、七沢るりが14位にランクインしており、多くの人気女優を追い抜いて健闘を見せています。

それ以外はベテランの女優であり、1位のつぼみ、2位の麻美ゆま、3位の吉沢明歩などはもはや殿堂入りと言ってもよい人気女優でしょう。

この人気ランキングは、業界の動向を様々に示唆しています。たとえば上述の通り、ユーザーには中高年男性の層が厚いこと、競争が激しい業界の中で新人においても1年でトップまで駆け上がることができる業界であること、そして毎年数千人が入れ替わっていると言われる業界内で、業界をけん引しているのは一握りの人気AV女優であるということです。

特に、100位の内訳を「新人」と「新人以外」という分類で分けるならば新人以外が大部分を占めており、このことから一度大きく当てれば知名度は飛躍的に伸び、そして活動を続けていけばその人気は有る程度維持されるということが分かります。ただし、人気投票の中には数年前までは名実ともにトップであったAV女優であったものの、あまり良い成績を残すことができなかった女性も見られます。これらの女優は近年になって人気に陰りが見えてきたという見方もできるでしょう。